日本政府 「イスラム国」との接触糸口は…[2015/01/22 11:48]

 過激派組織「イスラム国」が日本人2人を人質に取り、身代金を要求している事件で、人質になっている2人を巡っては、湯川遥菜さんは去年8月に拘束されたとみられ、後藤健二さんとは10月から連絡が取れなくなっています。後藤さんの家族には去年、イスラム国側から身代金を要求するメールがあり、政府もこの事実を把握していたとみられます。今回の事件発覚後、政府はいまだにイスラム国側と接触できていない状況だとしています。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 22日午前に会見した菅官房長官は、日本の立場をあらゆるルートを通じて伝える努力をしていると強調しました。
 菅官房長官:「(日本の支援は)中東の人々の生活の向上のための支援で、イスラム世界の人々を殺傷するようなこととは全く違う。ありとあらゆるルートを駆使しながら、今、発信をしている」
 しかし、菅長官は、まだイスラム国側からのメッセージはないことを明らかにしました。2人の安否も確認できていないということです。政府は、関係国や地域の部族長、宗教指導者などを通じてイスラム国側との接触を試みています。ただ、ある幹部は「昔は部族の長などが入って機能したが、今はもう全然、状況も違う」と苦悩を示しています。別の政府高官は「日本側のメッセージは相手側もインターネットで見ているだろう」と語り、情報を通じた事態打開に期待を寄せています。

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