北朝鮮へ“制裁延長と解除”使い分け 拉致再調査で[2015/03/31 11:51]

 政府は31日朝の閣議で、北朝鮮に対する独自制裁の2年延長を決めました。北朝鮮籍の船舶の入港禁止や輸出入の禁止などを継続します。

 (政治部・藤川みな代記者報告)
 拉致被害者らの再調査について、いまだに北朝鮮から報告がないなかで、制裁延長は既定路線でした。それでも、去年7月に北朝鮮が特別調査委員会を発足させた際に解除した「人の往来の禁止」といった制裁の復活には踏み切りませんでした。拉致被害者家族会や自民党内からは「制裁復活で圧力を掛けるべきだ」という声が出ていましたが、外務省幹部は「北朝鮮が『調査をやめた』と言っているわけではないので、制裁を戻すのは理屈が立たない」と指摘しています。「制裁延長」と「解除」を使い分けることで、再調査を重視する日本政府の意図が北朝鮮側に伝わることを期待しています。
 岸田外務大臣:「すべての拉致被害者の帰国に向けて何が最も効果的なのか、こういった観点から不断の見直しを行っていかなければならない」
 今年に入ってからも日朝の非公式な接触は続いていますが、最初の報告のめどは立っていません。

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