審議始まる“取調べの可視化、司法取引、通信傍受”[2015/05/19 11:49]

 国会は19日から、犯罪捜査に関する法案の審議が始まります。その内容ですが、まず冤罪(えんざい)を防ぐため、殺人など重大犯罪の場合、取り調べのすべての過程を原則、録音・録画すること、また、被疑者が他人の犯罪の情報を提供すると自身の罪が軽くなる司法取引制度の導入、さらに捜査のため通信傍受、いわゆる盗聴ができる犯罪の対象を広げることなどです。しかし、人権侵害などの問題点も指摘されています。

 (政治部・白川昌見記者報告)
 上川法務大臣は、今回の法案は捜査を適正に行い、国民の信頼を確保するためのものだと法案の早期成立を求めました。
 上川法務大臣:「まさに新しい時代に即した新たな刑事司法制度の構築を目指すもの」
 取り調べが録音・録画されるようになれば、捜査側による自白の強要など行き過ぎた取り調べが抑制されると期待されています。一方で、対象が重大犯罪に限られることから、全事件に対象を広げるべきだという声も上がっています。また、司法取引についても、捜査の進捗(しんちょく)が見込める一方で、自分の罪を軽くするために他人の罪をでっち上げるという懸念も出ています。さらに、盗聴範囲の拡大については、「プライバシーを侵害する捜査手法だ」という指摘もあります。
 民主党・細野政調会長:「極めて重い改正。こうした重要な中身が十分、国民に伝わっていない状況がある」
 今後の犯罪捜査の在り方を大きく変える法案なだけに、国会での慎重な議論が求められます。

こちらも読まれています