「産業革命遺産」なぜ難航?日韓対立で世界遺産決定[2015/07/06 11:51]

 長崎県の「軍艦島」など「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決まりました。ただ、日本と韓国が対立し、調整は難航しました。水面下の交渉では何があったのでしょうか。

 (政治部・澤井尚子記者報告)
 登録決定がギリギリまでもつれた背景には、日本側の詰めの甘さがありました。最後まで交渉が続いたのは、一部施設での「徴用工」を巡る表現についてです。韓国側は委員会スピーチで「強制労働」を意味する英語を用いようとしたため、日本側はあくまで「徴用政策」による合法的なものだと反発しました。結果的に「意思に反して連れてこられ、厳しい環境のもとで働かされた」という表現で折り合いました。ただ、徴用工の保障を巡る裁判に影響する懸念もあったため、この表現を「利用しない」という約束も取り付けました。こうした後手後手の対応に、ある政府高官は「韓国はしたたかだ」と反省の表情を浮かべています。政府は、インフォメーションセンターの設置を約束しましたが、韓国側はさらに注文をつけてくる可能性もあり、今後も調整は続きます。

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