安保法制を巡って集中審議が行われています。安倍政権を追い込もうと野党は結束を図りますが、中身の議論では各党や民主党内の意見がすれ違い、足並みがそろいません。そこで、「入り口論」に戻って「法案は憲法違反だ」と攻勢を強めたい考えです。
(政治部・岡香織記者報告)
野党は、総理の側近である礒崎補佐官が安保法制について「法的安定性は関係ない」と発言したことを問題視し、更迭を求めました。
民主党・広田一参院議員:「安倍総理、礒崎総理補佐官を更迭すべきではないでしょうか」
安倍総理大臣:「法的安定性を確保することはもとより当然のことでありまして、そこに疑念を持たれるような発言は慎まなければならないことは当然のこと。そのことを踏まえて、しっかり職務に取り組まなければならない」
自民党は理事会での謝罪で決着させたいとしていますが、野党は委員会での謝罪を求めています。また、民主党の幹部は「自ら辞任するのが当然だ」として追及を続ける考えです。さらに、野党としては、安保法制の考え方についてそれぞれ意見が違っても政府案が憲法違反だという点では一致しています。このため、政府案と過去の政府答弁の矛盾点を浮き彫りにすることで違憲性を強調する戦略です。政権支持率の急落を受けて、民主党の幹部は「支持率20%台もある」とみて、法案反対の世論を背に一気に追い込みをかける方針です。
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