政府が準備する2つの切り札とは 辺野古移設で協議[2015/08/12 11:49]

 辺野古への移設問題を巡る集中協議がスタートします。11日夜、沖縄に入った菅官房長官は早速、翁長知事と約1時間、沖縄舞踊を鑑賞しながら会食しました。このなかで、翁長知事は「沖縄と政府や本土の気持ちに距離があると個別の問題はすれ違う」と指摘しました。これに対して、菅長官は「溝を埋めなければ難しいのは分かるが、こうした会談のなかで解決できないだろうか」とお互いの主張をぶつけ合いました。

 (政治部・水頭洋太記者報告)
 菅長官は、12日夕方の協議を前に「平和の礎(いしじ)」に入りました。この後、政府が振興策の目玉と位置付ける地域を視察して回ります。政府は、今回の協議で2つのカードを準備しています。一つは、アメリカのテーマパーク「USJ」を沖縄に誘致することです。もう一つは、アメリカ軍から返還が実現した西普天間住宅地区の再開発の全面的な支援です。菅長官はこの2つの地区を視察することで、基地負担軽減と振興策が進んでいることをアピールします。また、菅長官と翁長知事は11日夜の会談を受けて、12日からは基地問題を巡って踏み込んだ議論に入っていくことになります。
 翁長沖縄県知事:「『沖縄県民の気持ちというものは大変、魂の飢餓感がある』と言ったんですけど、『その飢餓感にお気付きになり、理解ができなければ、なかなか個別の問題というのは難しいかもしれませんね』と」
 協議は1カ月で5回ほど予定されています。ただ、今のところ、お互いの距離はあまりにも大きく、協議は難航しそうです。

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