総裁選 やはり無投票再選の公算大…その背景は?[2015/08/28 11:51]

 自民党は、安倍総理大臣の任期切れに伴う総裁選挙を来月8日に告示することを正式に決めました。ポスト安倍を巡って出馬を模索していた野田前総務会長ですが、立候補は難しいとの見方が強く、石破地方創生担当大臣も出馬には慎重な姿勢です。さらに、岸田外務大臣や石原元幹事長も相次いで安倍総理の支持を表明。安倍総理の無投票再選の公算は高まっています。その背景には何があるのでしょうか。

 (政治部・植村俊和記者報告)
 誰も立候補しない理由には、実は安保法制があります。こうした現状について、有力候補とされていた岸田大臣は次のように述べました。
 岸田外務大臣:「今、日本の政治にとっても、国会、あるいは自民党にとっても大切な時期を迎えている」
 今回の総裁選は、ちょうど安保法案の採決の時期と重なります。仮に選挙戦になれば、安倍総理と対抗馬の安保政策の違いを突かれる恐れがあり、場合によっては政権の最重要法案が吹っ飛ぶリスクすらあります。党内からは「総理は安保関連法案で救われた」という声も聞こえます。また、人事への心配も立候補の機運をしぼませています。すべての派閥が安倍総理の再選を支持する状況で、勝てる見込みもなく立候補すれば、支持した議員も含めて向こう3年間、冷遇されることは明らかだからです。ただ、党内には「異常事態だ。無投票再選では、自民党の幅広さをアピールする機会がなくなってしまう」という声も根強くあります。

こちらも読まれています