安倍氏、念願の無投票再選 党内“不満”どうさばく[2015/09/08 11:50]

 自民党の総裁選挙は、立候補を模索していた野田聖子前総務会長が出馬断念を表明し、安倍総理大臣の無投票再選が決まりました。

 (政治部・中丸徹記者報告)
 安倍陣営の出陣式には、所属議員400人のうち300人近くが集まり、数の力を見せつけました。
 安倍総理大臣:「アベノミクスも道半ばで、全国津々浦々に景気回復の好循環をお届けしていく。様々な課題に取り組み、結果を出していくことで責任を果たしていきたい」
 安倍総理はこれから、息切れしているアベノミクスをテコ入れする考えを示しました。そして、「9カ月前の総選挙で大勝を頂き、公約を進めている最中だ」と無投票再選への批判をかわしました。一方、最後まで立候補を模索していた野田氏は、届け出の開始時間に記者会見を開き、出馬断念を表明しました。
 自民党・野田聖子前総務会長:「総裁選への挑戦を断念致しました。私の取り組みを十分にご理解頂ける説得力がなかったんだと思います」
 安保法案の採決を目前にして、総裁選で国会に空白をつくることは絶対避けたかった官邸サイドは、野田氏を支持する可能性のある議員を説得するなど無投票に持ち込むことに成功しましたが、課題も残しました。安倍陣営には、選挙戦になれば政権への不満が100人規模で出てくるという懸念もあるなど、「モノが言えない自民党」に対する党内の不満が影を落としています。今後、人事や政策でそうした不満を吸収したいところですが、全派閥から支援を受けていて、ポストは足りません。来月の内閣改造でも巨大与党をどう束ねていくのか、かじ取りは簡単ではありません。

こちらも読まれています