政府機関の「地方移転」 どうなる…東京一極集中[2015/12/18 11:50]

 東京一極集中の是正につながるのでしょうか。政府機関の地方移転を巡り、北海道と兵庫県が観光庁、三重県が気象庁、徳島県が消費者庁、京都府が文化庁など、自治体側から中央省庁の移転の提案がありました。しかし、中央省庁側の抵抗は強く、政府はまず、理化学研究所など国の研究機関を中心に検討を進める方針を決めました。

 (政治部・村上祐子記者報告)
 地方自治体からは全部で70の政府機関を移す提案がありましたが、政府は、そのなかで「全国のなかで、なぜその場所なのか」を基準に35に絞りました。
 石破地方創生担当大臣:「地方の考えと中央の考えというものがきちんと整理されて、どちらが国の利益に資するものなのか」
 18日の提案によりますと、国立健康栄養研究所と酒類総合研究所の2つについては、組織のすべてをそれぞれ大阪府と広島県に移します。また、理化学研究所やJAXA(宇宙航空研究開発機構)などの研究機関については、その一部の移転を検討します。しかし、中央省庁の移転については「主要論点を整理して検討を深める」という表現にとどめ、事実上、先送りとなりました。ある政府高官は「危機管理や国会対応はどうするのか。テレビ電話で済む話ではない」と移転そのものに反発しています。政府は来年3月までに最終決定をする方針ですが、一極集中の是正にはほど遠いものとなりそうです。

こちらも読まれています