なぜ、この年末ぎりぎりに? 慰安婦問題で外相会談[2015/12/25 16:58]

 28日にソウルで行われることになった日韓外相会談。年末ギリギリという異例のタイミングの背景には一体、何があるのでしょうか。

 (政治部・千々岩森生記者報告)
 (Q.28日のタイミングはどういう意味を持つ?)
 そのタイミングですが、何といっても今年が日韓国交正常化50年と節目の年であるというのが大きかったんです。日韓双方とも「今年中にケリをつけたい。このタイミングを逃すとこの問題が漂流してしまうのではないか」という思いを抱えていました。ただ、日本側は、いったん妥結してもまた蒸し返されたら最悪だと、中途半端に妥協するぐらいなら来年でも構わないというのが本音です。取材していても、年内というタイミングに強いこだわりは感じませんでした。今回の外相会談は、すでに1週間前には、ほぼ固まっていました。岸田外務大臣は、産経新聞前ソウル支局長が無罪となった翌日の18日、周辺に「仕事納めは28日だ」「出張になりそうだ」と話していました。今回、水面下で調整にあたったのは、安倍総理大臣側近の谷内国家安全保障局長と、朴槿恵(パク・クネ)大統領側近で菅官房長官とも太いパイプを持つ李丙ギ(イ・ビョンギ)大統領秘書室長で、1カ月ほど前から動いていました。では、どんな条件で妥結するのかということですが、日本側は元慰安婦に現在行っている人道支援の拡充や新しい基金の創設を念頭に置いています。また、日本の歴代総理が続けてきた元慰安婦へのおわびの手紙に類するものも検討しています。安倍総理がこうした方々にどんな労いの言葉をかけるのかというのも大きなポイントとなりそうです。

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