米国務長官、初の被爆地訪問へ 「謝罪」など調整[2016/04/04 11:46]

 10日から広島で始まるG7外相会合で、原爆を投下したアメリカの国務長官が初めて平和記念公園を訪問します。正式決定まで半年、「原爆の是非」や「謝罪」など水面下の調整が続きました。

 (政治部・千々岩森生記者報告)
 被爆地の広島が地元の岸田外務大臣にとって、核保有国の外相を原爆資料館に案内することは悲願でした。
 11歳で被爆した男性(82):「ええことや。来て(被爆の被害を)見てもらわないといけん。原爆がないように、ないようにしてもらわないけんよね」
 アメリカは難しい立場でした。ケリー長官自身は早い段階で、岸田大臣側に「平和公園を訪問するつもりだ」と伝えていました。ただ、アメリカ国内では原爆投下を肯定する意見も根強く、ケリー長官の周辺には、年末の大統領選挙への悪影響も心配して「日本に謝罪を求められるのは困る」との声もありました。岸田大臣としては今回をあくまで前向きな訪問にする、そして、核なき世界を宣言した本丸のオバマ大統領の被爆地入りにもつなげたいのが本音です。

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