TPP与党から今国会成立“断念”の声 参院選にらみ[2016/04/13 11:50]

 後半国会の目玉であるTPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案。野党は交渉の内容を公表するよう迫りましたが、出てきたのはまるで「のり弁当」のような黒塗り文書でした。これに反発した民進党は審議を拒否していて、なかなか前に進めません。政府・与党からは、7月の参議院選挙もにらんで、今の国会での成立を断念すべきだという声も出ています。

 (政治部・大瀧翔子記者報告)
 自民党の佐藤国対委員長は、今月中に衆議院を通過しなければ今国会での成立を見送る考えを示しました。
 自民党・佐藤国対委員長:「今月中に通さなければ、それ(成立見送り)は考えないといけないと思うが、成立に向けて努力をするのが我々のスタンスだということは理解頂きたい」
 今月中に衆議院を通過しなければ、来月頭にはゴールデンウィーク、そして、来月末には伊勢志摩サミットが控えていて、参議院で十分な審議時間が確保できなくなるからです。さらに、7月に行われる参議院選挙に影響を与えたくないという考えがあります。ある自民党幹部は、「中身の審議はせずに黒塗りを出されてレッテル貼りをされるだけ」「衆議院は通ったとしても、選挙前の参議院はもっと厳しい」と語るなど、野党の反発を受けながら審議を進めることに後ろ向きです。13日午後には与野党幹部が会談して15日からの審議再開を目指しますが、与党は情報公開に応じるつもりはなく、成立が厳しい状況に変わりはありません。

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