ギクシャク関係立て直しへ 日中外相会談の行方は?[2016/04/30 17:37]

 日中関係がぎくしゃくするなかで、日中外相会談が中国で行われました。北朝鮮が核実験を行った1月に、岸田外務大臣は王毅外相に対して電話会談を求めましたが、拒否されました。背景にあるのが「南シナ海」問題です。日本は国際社会と連携して中国への牽制(けんせい)を強めていますが、「日本は関係ない」と中国側は猛反発しています。関係改善の糸口はつかめたのでしょうか。

 (政治部・千々岩森生記者報告)
 外相会談は当初の2時間の予定を大幅にオーバーして、3時間20分にも及んでいます。
 王毅外相:「本日は、中日関係をいかにして改善するか大臣の見解を聞かせて頂きたい」
 岸田外務大臣:「より頻繁に(日中外相が)往来できる関係に戻していきたい」
 会談の冒頭、関係改善を促した岸田大臣に対して王外相は、テレビカメラの前で「ぎくしゃくしている原因は日本自身が一番よく分かっている」とただしました。ただ、この後は実質的な中身に移り、「関係改善に双方で努力する」「互いを敬い尊重する」などの4点で日中の認識が一致しました。また、日本は中国人へのビザの発給要件の緩和も決定しました。ただ、「南シナ海」問題では、「国際社会の懸念だ」とする岸田大臣に対して、王外相は従来の主張を繰り返しました。続いて会談した外交部門の最高責任者・楊潔チ国務委員は「(日本と)一緒に歩み寄る努力をして、関係発展の勢いを保ちたい」としました。岸田大臣は中国のナンバー2・李克強首相と会談中です。言葉だけではなく、本当に関係の改善につなげられるかどうかが課題となります。

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