「基地があるが故の犯罪」翁長知事、総理を前に怒り[2016/05/23 11:45]

 沖縄県で20歳の女性の遺体を遺棄したとしてアメリカ軍関係者の男が逮捕された事件を受けて、安倍総理大臣は沖縄県の翁長知事と会談しました。

 (政治部・藤川みな代記者報告)
 会談のなかで翁長知事は、事件が起きるたびに「再発防止と綱紀粛正」と繰り返すだけの日米両政府に強い怒りをあらわにしました。
 翁長沖縄県知事:「綱紀粛正とか徹底した再発防止などと数十年間、何百回も聞かされました。しかしながら現状は全く何も変わらない。米軍基地があるが故の犯罪であり、大きな怒りと悲しみを禁じ得ない」
 翁長知事は、沖縄県にアメリカ軍基地が集中していることが問題の本質だという認識を示しました。そのうえで、「日米地位協定を改定しなければ日本は独立国ではない」と述べて、地位協定の改定を強く求めました。それに対して安倍総理は、今週に予定されている日米首脳会談で、オバマ大統領に直接、2度とこうした事件が起きないよう厳正な対処を求める考えを示しました。迅速な対応で沖縄の反発を抑えたい政府と抜本的な基地問題の解決を求める沖縄県との間には深い溝があります。今回の日米首脳会談は、オバマ大統領の広島訪問を前に友好ムードを確認するだけのものとみられていましたが、今回の事件を受けて基地問題を取り上げざるを得ない深刻な会談になりそうです。

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