「G7版3本の矢」安倍総理目論むも…各国に温度差[2016/05/24 11:47]

 伊勢志摩サミット開幕まであと2日に迫りました。最大の焦点は低迷する世界経済。議長を務める安倍総理大臣は金融政策、財政出動、構造改革の「G7版3本の矢」で世界経済の成長につなげたい考えです。しかし、国のお金を使って景気を下支えする財政出動については、借金を抱えたくないドイツやイギリスが消極的で、足並みはそろっていません。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 その足並みがそろうかどうかについて、麻生財務大臣の記者会見で弱気な発言が飛び出しました。
 麻生財務大臣:「(ドイツでの財政出動は)憲法上できないことに憲法か財政法で決まっていると思いましたね。できないので、皆が『せーの』でできないことは、はなからはっきりしている」
 財政出動を巡っては、現時点ではG7各国の間には温度差があります。先週末に行われた首脳会議の前哨戦となる財務大臣会議でも財政規律を重んじるドイツなどが慎重姿勢を崩さなかったとみられ、日本にとって満額回答とはなりませんでした。一方で、安倍総理は、周辺に「最後は首脳同士で議論して決めるので、事前調整で完璧に固めなくても良い」と強気に語っています。安倍総理としては外交で得点を積み上げて、衆参同日選や消費税引き上げなどの駆け引きで主導権を握りたいという狙いもあります。
 菅官房長官:「G7がリードして世界経済、持続的かつ力強い成長を実現するための力強いメッセージを発出したい」
 伊勢志摩サミットでは、議長を務める安倍総理がドイツやイギリスなどからどの程度の譲歩を引き出せるかが最大の焦点となります。

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