消費増税、2年半の延期 安倍総理“決断”の裏側[2016/05/31 17:54]

 民進党や共産党など野党4党が提出した安倍内閣に対する不信任決議案は31日午後、衆議院本会議で採決され、与党などの反対多数で否決されました。

 (政治部・藤川みな代記者報告)
 (Q.消費税の引き上げを2019年10月まで2年半延期ということになりましたが、この2年半の意味は?)
 政治日程を見ますと、当初、自民党内には2年延期するという案がありました。2年ですと、2017年4月が2019年の4月になります。そうすると、春の統一地方選挙を直撃します。そして、夏には参議院選挙もあるので、大きい影響が出ることが予想されます。それを2019年の10月まで延ばせば選挙が終わっていますし、2020年7月には東京オリンピック・パラリンピックが控えているので景気が上向くことが織り込まれています。
 もう一つ、2018年の9月末に安倍総理大臣の自民党総裁の任期満了がやってきます。これについては2つの見方があります。「安倍総理が自分の任期中に増税しないで、ポスト安倍に任せるのは無責任だ」という指摘がある一方で、「増税の影響を気にせずに解散のタイミングを選べるようになった」「総裁任期が終わる間際に解散をして、大きく勝てばこの任期を伸ばす可能性が出てくるのではないか」という見方も出ています。
 (Q.安倍総理は来月1日に会見するそうだが、どのような内容になりそうか?)
 まず、注目されるのは消費税の増税分を充てるはずだった社会保障の充実策とその財源についてです。財源については、民進党の岡田代表が提案した赤字国債の発行には頼らずに、対決姿勢を鮮明にする考えです。アベノミクスで税収が増えた分を財源に回して、子育て支援や介護などの政策を優先することでしのぎたい考えです。1日の会見では、「再び延期することはない」と断言した2014年の会見と整合性が問われることになります。自民党内では小泉元総理大臣の郵政民営化を例に出して、「理屈よりも迫力で国民を説得してほしい」という声も出ているのですが、急な方針転換で説明が難しいことは明らかです。

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