舛添知事への批判は強まる一方で、来月の参議院選挙を戦う与野党の戦略にも影響しています。
(政治部・中丸徹記者報告)
自民党の幹部は、舛添問題には「ノータッチだ」として、これはあくまで「都議会の問題である」というスタンスを崩しません。そもそも、自民党が野党に転落した時に離党をしていった舛添知事に対しては反感も強く、「そんな舛添問題の巻き添えを食いたくない」というのが本音です。ただ、共産党などが知事への不信任案の提出を予定していて、その対応を間違えると「自民党と公明党が舛添知事を守っている」という批判を受ける可能性があります。すでに民進党など野党は、参議院選挙に向けて「自公が守っている」という呼び掛けを始めていて、実際に与党への逆風につながってきているという手応えを感じています。自民党幹部は「もう舛添は持たない」と漏らし、いずれ辞任は避けられないとみていますが、参議院選挙との同日選挙は避けつつ、「守っているようには見られたくない」という難しい判断を迫られています。これまで参議院選挙は、消費増税延期の信を問いたい与党と憲法改正阻止を争点に挙げたい野党とのせめぎ合いでしたが、ここにきて舛添問題が無視できないポイントになってきました。
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