通報システム「Jアラート」作動せず その理由は?[2016/08/03 17:11]

 「Jアラート(全国瞬時警報システム)」という仕組みがあります。武力攻撃など対処に急を要する情報を国から地方自治体、そして私たちに伝えるJアラートは、各自治体から防災無線や携帯電話のメールなどで知らせる仕組みとなっています。しかし今回、このシステムが作動せず、ミサイル発射の情報が伝わってきませんでした。この原因は一体、何だったのでしょうか。

 (政治部・安西陽太記者報告)
 政府は「ミサイルが『日本に落下する恐れがない』と判断したため、Jアラートは作動しなかった」と説明しています。通常、Jアラートは北朝鮮が発射したミサイルが日本に飛んできた場合、日本に落ちるか、またはその手前や上空を通過する際に作動します。ところが、日本の排他的経済水域に落ちたにもかかわらず、今回は我が国への影響がないということで作動しませんでした。実際、Jアラートがどれくらいの距離で作動するかは「安全保障上、答えられない」としています。政府関係者によりますと、朝鮮半島の西側から発射された場合、半島の山を越えるため、どうしても最初の兆候や覚知は韓国とアメリカのレーダーや衛星に頼らざるを得ないということです。また、今回は移動式の車両から発射されたとみられていて、「確認が難しく、迎撃できない可能性もある」と指摘しています。北朝鮮からの「予告なし」のミサイルが日本に飛んできた場合、しっかり対処できるのか。政府の迅速な対応が求められます。

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