安倍総理 カストロ議長と会談 歴史的訪問の狙いは[2016/09/23 11:45]

 安倍総理大臣は、日本の総理として初めてキューバを訪れています。この歴史的訪問での大きな狙いは2つです。1つ目は、キューバと北朝鮮が友好関係にあることから、核やミサイルの北朝鮮問題で協力を要請すること。2つ目はアメリカとの国交回復で、日本にとっての市場の拡大を見込んだ経済協力を強化することです。

 キューバに到着した安倍総理が首脳会談の前に真っ先に向かったのは、前の国家元首のフィデル・カストロ氏の自宅でした。フィデル・カストロ氏は依然として人気が高く、影響力があります。キューバが旧社会主義陣営の国で北朝鮮の友好国であることを踏まえ、安倍総理は核実験やミサイル発射に対する制裁強化に向けた協力を呼び掛けました。フィデル・カストロ氏は「日本とキューバは核のない世界をつくることにおいて一致している」と述べたということです。安倍総理はその後、フィデル・カストロ氏の弟で今の国家元首のラウル・カストロ国家評議会議長との首脳会談に臨みました。会談では、キューバに対して約13億円の無償資金協力として、医療機材の支援を行うことで合意しました。日本側としては、企業の進出や投資拡大を見据えて官民連携での経済関係を強める狙いもあります。近日中には、中国の李克強首相もキューバ訪問を予定しています。安倍総理の今回の訪問には、中南米で急速に存在感を高めつつある中国に対抗する狙いもあります。

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