トランプ氏勝利で風前の灯?TPP法案 衆院で採決へ[2016/11/10 11:51]

 TPP(環太平洋経済連携協定)法案が10日午後、衆議院で採決されます。政府・与党はアメリカ大統領選挙より前の衆議院通過を目指しましたが、自民党議員のパーティーで山本農林水産大臣の失言が2度も飛び出したうえに与党内の連携不足で国会運営が混乱し、採決ができていません。そうこうしているうちにTPPに真っ向から反対しているトランプ氏の勝利で、TPP協定そのものに暗雲です。

 (政治部・原慎太郎記者報告)
 4日の特別委員会でTPP関連法案の採決を強行して以来、本会議での採決ができなかった与党側は、この後、10日午後1時から本会議を開いて法案を通過させる方針です。政府・与党は、TPPに反対してきたトランプ氏の勝利に戸惑いながらも協定の批准に向けた日本側の姿勢は変えないとして、あくまでも10日の採決にこだわっています。
 民進党・山井国対委員長:「(トランプ氏が大統領に決まったなかで)国会でTPPについて強行採決する。国民からも世界からも全く理解されないと思います」
 これに対して、野党側は徹底抗戦です。野党4党は本会議が開かれる前に山本大臣の不信任案を共同提出することで合意しました。ある民進党幹部は、トランプ氏の勝利でTPP協定そのものが風前のともしびとなっているなか、このまま安倍政権が審議を進めれば傷が深くなるだけだとして、参議院でも追及していく方針です。

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