「年金改革法案」押し切る与党 野党は徹底抗戦[2016/11/29 11:51]

 国会では29日、衆議院で与党側が「年金制度改革法案」を採決に持ち込む見通しで、来月14日までの会期延長も決定します。野党側は徹底抗戦の構えで、塩崎厚生労働大臣の不信任決議案や丹羽厚生労働委員長の解任決議案を提出する方針です。一方、臨時国会は2回まで延長できるため、安倍総理大臣がさらに会期を年末まで延長して「解散風」を吹かせるとの見方も浮上しています。

 (政治部・村上祐子記者報告)
 29日午後1時から衆院本会議場で開かれる本会議で年金改革法案は衆議院を通過する予定ですが、それに先立って野党は塩崎大臣の不信任決議案を提出しました。
 民進党・柚木衆院議員:「(審議が)20時間に満たないなかでの強行採決の提案、塩崎大臣におかれましてはまさに政府の立場で、非常にこれは今と未来の年金受給者に対して不誠実極まりない」
 野党は塩崎大臣と同時に丹羽厚労委員長の解任決議案を提出し、徹底抗戦の構えです。ただ、政府・与党は強気です。国会で野党の抵抗が強まれば内閣支持率は下がる傾向にありますが、この国会ではむしろ上がっています。ある自民党幹部も「野党の迫力がない。与党の支持率が下がらないからだ」と野党の国会対応を牽制(けんせい)します。政府・与党は年金改革法案に加えて、世論の賛否が分かれるIR(統合型リゾート)法案(カジノ法案)の審議も進める構えです。さらに、臨時国会の会期は2回、延長できることから、再延長の可能性も指摘されています。与党側が年末までの大幅延長で解散風を吹かせ、選挙準備の整わない野党側の足並みを乱すのか。終盤国会は与野党の駆け引きが激しくなっています。

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