訪問は“戦後の総決算” 安倍総理、演説で和解強調[2016/12/28 11:45]

 安倍総理大臣とアメリカのオバマ大統領は28日朝、ハワイの真珠湾でスピーチしました。安倍総理のキーワードは「戦争を繰り返さない」「寛容の心」そして、「和解の力」など。一方、「イチロー選手」を日米の友情のシンボルとして引き合いに出したオバマ大統領は「報復より和解」が重要だと強調しました。トランプ次期大統領を意識したものとみられます。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 安倍総理がコンセプトの中核に据えたのは、日本とアメリカが敵対関係を乗り越えたという意味の和解の力という言葉でした。
 安倍総理大臣:「ここパールハーバーでオバマ大統領とともに世界の人々に対して訴えたいもの、それは“和解の力”です。世界中の人々がパールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれることを私は願います」
 真珠湾といえば、アメリカ側から見ると“リメンバー・パール・ハーバー”で屈辱と復讐(ふくしゅう)の合言葉でしたが、安倍総理としては、これからは「和解の象徴」の意味も持ってもらいたいといった願いを込めた格好です。今回のスピーチには寛容の心や不戦の誓いといったキーワードも盛り込まれました。実は、この言葉は去年のアメリカ議会での演説や戦後70年の節目に出した談話でも使われていた言葉です。安倍総理は、今回の訪問を戦後の総決算と位置付けていて、過去の戦争について、これまで出してきた理念、この延長線上に今回のスピーチを練り上げた格好です。

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