BPO 熊本2局の放送に対し「放送倫理上問題あり」[2017/03/11 08:18]

 熊本県の2つの民放テレビ局がおととしに放送した準強制わいせつ事件に関する報道を巡り、BPO(放送倫理・番組向上機構)は「放送倫理上問題あり」とする見解を示しました。

 フジテレビ系列のテレビ熊本と日本テレビ系列の熊本県民テレビはおととし11月、地方公務員による準強制わいせつ容疑での逮捕について放送しました。この公務員は「事実と異なる内容で深刻な人権侵害を受けた」「フェイスブックから写真を無断で使用され、権利を侵害された」として、BPOの放送人権委員会に申し立てていました。BPOは「写真の使用は問題なく、名誉毀損とはいえない」としながらも、「正確性に疑いのある放送内容で放送倫理上問題あり」とする見解を示しました。一方で、「警察の説明は取材側に納得がいくもので、今回の放送には説明から逸脱した点はみられず、問題があるとまではいえない」とする少数意見も紹介しています。テレビ熊本は「今回の委員会決定を真摯に受け止め、人権に配慮した報道に取り組んで参ります」。熊本県民テレビは「決定を真摯に受け止め、指摘を受けた内容を今後の放送に生かして参ります」とそれぞれコメントしています。

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