採決急ぐ与党が“奇襲”に 野党、不意を突かれる[2017/06/14 17:12]

 「テロ等準備罪」、いわゆる“共謀罪”法案を巡り、与党は14日夜にも成立を目指す方針を固めました。野党側はこれに猛反発して金田法務大臣、山本規制改革担当大臣に続き、松野文部科学大臣への不信任決議案を提出しました。国会がどういう状況なのか、夜にも“共謀罪”法案が採決となると、まさに急転直下という感じを受けますが、いったい何があったのでしょうか。

 (政治部・中丸徹記者報告)
 今は参議院の本会議が再開できない状況が続いています。午後、民進党が新たに議運委員長の解任決議案を提出し、その対応が取られています。さらに野党はこの後、内閣不信任案などの提出を検討していて、「テロ等準備罪」法案の成立は夜遅く、日付をまたぐことは確実ではないかというふうにみられています。なぜ、14日に与党が動いたのかといえば、会期を延長しないで確実に法案を成立させるためとなります。党内には都議選を控えて、小幅に延長して丁寧な姿勢を見せた方がいいという意見もありましたが、国会を早く閉じる方が優先されました。13日は韓国訪問から帰国した二階幹事長と衆参の国対委員長らが今後の方針を確認し、異例の中間報告というこの奇襲作戦が共有されました。野党は予想外の一手に衆議院の議員を急きょ、東京に呼び戻すなど不意を突かれた形になっています。これで「テロ等準備罪」法案が成立すれば刑法改正案も15日、16日で成立することが確実になります。残る焦点は加計学園を巡る文部科学省内の文書の再調査の結果、これを国会で審議する場が設けられるのかどうかになります。
 (Q.急いでいる気がするが、何がある?)
 確実に会期内に成立をさせ、15日以降であれば様々な抵抗戦術が予定されることから、13日に問責決議案が2人の大臣に出されたということで、野党は審議する気持ちがないのだと踏み切って、与党側から奇襲作戦に出たという形になります。

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