政府は続投方針 与党は都議選への影響にピリピリ[2017/06/28 16:57]

 都議会議員選挙の応援演説で、「自衛隊としてもお願いしたい」と発言した稲田防衛大臣は辞任の考えを否定しました。野党をはじめ、自民党内からも批判の声が上がっています。政府・与党の対応について総理官邸担当の吉野真太郎記者の報告です。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 (Q.稲田防衛大臣を続投させるという与党の方針に変わりはないのでしょうか?)
 官邸側としては、稲田大臣の発言に行き過ぎがあったことは認めているのですが、撤回したことをもって続投という方針に揺るぎはありません。菅官房長官も記者会見で「説明責任を果たして、職務にあたってほしい」と話しているほか、ある政府関係者は「自衛隊に政治活動を促したわけではない」と話しています。ただ、本音は、辞めさせても辞めさせなくても苦しいというところだと思います。仮に、稲田大臣を辞任させたとしても加計学園問題もくすぶり続けるなかで、すっきり幕引きとするのは難しい情勢です。8月にも行われる内閣改造まで何とか続投させて、人心一新でリセットとしたいところです。とは言っても、東京都議選を戦う与党内からはけじめを求める声が上がっています。まず、自民党ですが、「後ろから鉄砲を撃たれているようだ」「浮動票が入らなくなる」など嘆きともいえる声が聞かれました。そして、公明党です。都議選では自民党と敵対していますが、「共産党が勢いづいている感じが痛い」と競り負けを懸念する声が上がっています。安倍政権としては新たな火種を抱えた格好で、苦しい政権運営が続くことになります。

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