日報“隠蔽”に稲田氏関与あったのか 監察結果公表[2017/07/28 11:47]

 PKO(国連平和維持活動)の日報問題に関する特別防衛監察の結果が発表されたことを受けて、稲田防衛大臣が安倍総理大臣に辞表を提出し、受理されました。その稲田大臣は、PKOの日報問題を巡る特別監察の結果について会見しました。日報については、防衛省で「廃棄済み」とされていましたが、その後、実際には陸上自衛隊で保管されていたことが分かりました。この保管について、稲田大臣は「承知していない」としていました。しかし、陸上自衛隊の複数の関係者が、監察本部の調べに「保管の事実は大臣にも伝えていた」と答えたことがANNの取材で分かっています。監察結果に稲田大臣の関与は記されたのでしょうか。

 (政治部・安間由太記者報告)
 監察結果では、稲田大臣に日報を公表しないことについて了承を求めたことはなかったと結論付けられました。
 稲田防衛大臣:「私自身、報告を受けたという認識は今でもなく、私のこれまでの一貫した情報公開への姿勢に照らせば、そうした報告があれば必ず公表するように指導を行ったはずですが、監察の結果は率直に受け入れます」
 ただ、複数の幹部は、2月に行われた会議で、日報が実際には存在することを稲田大臣に報告したと証言しています。一方、稲田大臣をはじめ「そのような報告はなかった」と否定する証言も複数あり、主張は真っ向から対立したままです。そして、監察結果では、どちらの証言が正しいのかまでは踏み込みませんでした。つまり、稲田大臣が日報の存在を認識し、組織的な隠蔽に関与していたかについては、十分に解明されていません。政府関係者は「議事録がなく、決定的な証拠がないので、事実をまとめたものになった」と説明しています。未解明の部分を残したまま防衛省を去る稲田大臣。今後の政治姿勢が問われます。

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