「自分に投票できない」新区割りで意外な余波 [2017/09/29 16:57]

 数字に注目してお伝えしている衆議院選挙。続いては選挙区についてだ。「一票の格差」を是正するため、今度の選挙では小選挙区が1つ減ってしまう地域がある。それが青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県だ。その他、13の都道府県で小選挙区の数は変わらないものの「区割り」が変更されて見直しが行われたのは合わせて19都道府県で、「97」の選挙区に上る。これは全国にある選挙区の約3分の1にあたる数字だ。こうした新たな区割りで争われる今度の衆議院選挙。立候補予定者、そして有権者の双方から戸惑いの声が上がっている。

 新しくなる選挙区。東京では25の選挙区のうち21でこれまでの区割りが変わる。例えば、中目黒駅周辺。選挙区は東京5区から7区になる。これまでの東京7区は中野区と渋谷区だったが、新東京7区では中野区の北半分が10区に移り、かわりに杉並区、目黒区、品川区の一部が加わった。
 東京7区自民党、前職・松本文明氏(68):「新しい選挙区が分かった時点でショックは大きかった」
 東京7区で出馬予定の自民党・松本文明氏。なぜショックを受けたかというと。この川の北側にある松本氏の自宅周辺は新東京10区に組み込まれた。つまり10区に住所がある松本氏は自分自身に投票することができない事態に。前回は比例代表で復活当選した松本氏。当然、選挙区での勝利を目指している。
 東京7区自民党、前職・松本文明氏(68):「新しいところで『自民党の候補者は松本だ』というのをご理解頂く。それは長妻さんも同様じゃないかな」
 前回、東京7区を制したのは“ミスター年金”こと民進党・長妻昭氏。ちょうど1週間前、長妻氏は新しいポスターのデザインを考えていた。
 東京7区民進党、前職・長妻昭氏(57):「街頭演説もけさも中目黒駅でしてきましたし、皆さんに知って頂く努力をしていこうと」
 ところが、事態は急展開。民進党の選挙対策委員長という役職についている長妻氏は29日午後、党本部の中へ。候補者の選定について話し合いを行ったとみられる。長妻氏自身はどんな形で選挙戦を行うのか、今のところ明確にはしていない。
 同じく東京7区から出馬予定の共産党の新人・谷川智行氏。
 東京7区共産党、新人・谷川智行氏(45):「私はこれまで医療介護の現場で医師として19年、仕事をしてきました」
 選挙区の区割り変更をむしろチャンスにしたい谷川氏。
 東京7区共産党、新人・谷川智行氏(45):「(新7区では)みんな新顔という意味で言えば、中身の勝負だと思いますから、やっぱり市民と野党が力を合わせることしか政治を変えることができないと最後まで訴える」

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