衆院選の争点「消費税」 各党の主張のポイントは[2017/10/16 11:49]

 後半戦に差し掛かった衆議院議員選挙。今週はその争点をシリーズでお伝えします。16日は消費税です。自民・公明は2年後の2019年10月から10%に引き上げ、教育無償化などに使うことを掲げています。これに対して希望の党や立憲民主、維新の会、日本のこころは引き上げの凍結や延期を、そして、共産と社民は引き上げの中止を訴えて主張が対立しています。

 (政治部・柊知一郎記者報告)
 国の借金が1000兆円を超える日本にあって、社会保障はどうなる、借金返済はどうする、そうした将来像が語られることのないまま消費税の論議が展開されています。安倍総理大臣は「解散の大義」とした消費増税分の使い道の変更について、演説では聞こえの良い「子育て支援」や「教育の充実」ばかり声高にアピールし、悪化する財政をどう立て直すかについては触れていません。公明党が主張する軽減税率を導入すれば、5兆円と見積もっている税収がさらに減ることになります。これに対して増税自体の凍結・中止を訴える野党ですが、消費増税に代わって確保する財源についてはハードルの高いものとなっています。希望の党が掲げた大企業の内部留保への課税は「法人税との二重課税だ」と財界からはすでに反発の声が上がっています。共産党がうたう大企業や資産家に対する「富裕税」が本当に実現すれば、日本の資産が国外へ流出する懸念も指摘されます。そもそも消費税を上げる前に公務員の人員削減を求める案や金融資産課税を強化する案など、野党も決して一枚岩ではありません。「消費税収で子育ての充実」か「増税凍結・中止」か。対立の構図は分かりやすくなっていますが、日本が抱える大きな課題、財政健全化はどう転んでも遠のいていきそうです。

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