改憲勢力は“まだら模様” 衆院選後初の憲法審査会[2017/11/30 11:51]

 衆議院で選挙後、初めての憲法審査会が行われました。先月の総選挙では与党が再び3分の2の議席を確保しました。憲法改正を公約に掲げた自民党は積極姿勢ですが、議席を減らした公明党には冷めた空気が漂っています。一方、「維新」は自民党案に教育無償化が明記されないことに反発。護憲色が強い野党第1党「立憲」の動向も無視できず、改憲への温度差は広がったままです。

 (政治部・前田洋平記者報告)
 30日の憲法審査会は選挙前に実施された海外視察の報告でした。具体的な協議には入らず、そろりとした再スタートとなりました。というのも、自民党がまだ改正案を示せていないためです。年内の取りまとめを目指していましたが、9条への自衛隊明記でも戦力を保持しないことをうたった2項を残すかどうかで党内の意見は割れたままです。さらに、公明党は9条だけでなく、憲法改正自体に慎重です。ある議員は「憲法改正は東京オリンピックの後だ」と漏らして先送りにしたい考えです。一方、野党第1党の立憲は総理の解散権の制約を持ち出すなど、議論を拡散させて自民党の動きを牽制(けんせい)しています。自民党幹部は「無理に与党で押し切って発議すれば国民投票でつまずきかねない」としていて、当初のスピード感とはかけ離れた状況となっています。

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