総理、憲法改正踏み込む 野党は9条改正反対の戦略[2018/01/22 17:28]

 22日に召集された通常国会。注目は「モリ・カケ・スパ」です。今、安倍総理大臣は自民党の総裁として自民党の両議員総会で話をしていましたが、憲法改正について「実現する年だ」と相当踏み込みました。これが、一番の重要テーマということになるのでしょうか。

 (政治部・小池直子記者報告)
 安倍総理は、年頭の記者会見では「憲法のあるべき姿を国民に示す」と言っていましたが、22日は「いよいよ実現をする時を迎えている」とかなり踏み込んで発言しています。自民党の幹部からも「3月25日の党大会までに改正案をまとめたい」との声が出始めています。国民投票を見据えて、早く党の方針を浸透させたい思いがあるからです。また時期を掲げることで、議論を加速させる雰囲気が出てきました。ただ、自民党内には意見の隔たりがあります。9条について安倍総理は、戦力を持たないなどと定めた2項を残し、自衛隊を明記するとしていますが、石破元幹事長はその2項を削除して自衛隊の目的・性格をより明確にすると主張しています。そんななか、自民党内からは、このまま両論併記でもいいのではないかという意見まであり、一筋縄ではいきません。年内の発議まで持っていくことができるのか、手続きを含め戸惑いながら手探りで進めていくことになります。

 (政治部・白川昌見記者報告)
 (Q.野党はこの国会、どんな戦略を描いて国会審議に臨んでいこうとしているのか?)
 野党としてはこの国会で安倍政権にダメージを与えて、「憲法改正の発議などとてもできない」という流れに持っていく戦略です。立憲民主党の枝野代表は「憲法9条には触らせない」と言っていて、希望の党の玉木代表も「ただ、自衛隊を書き込むだけなら意味がない」と反対を表明しています。そのためにも、引き続き森友・加計学園問題の追及や安倍総理が目玉と掲げる働き方改革法案に対しても、一部の職種で残業代が支払われなくなる「残業代ゼロ法案」だとして問題点を追及していく考えです。ただ、あるベテラン議員は「なかなか攻め手がなくて厳しい」と漏らしています。混乱続きの野党がどれだけ存在感を発揮できるかが問われる国会になります。

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