“自衛隊追加”三つ巴に 9条議論でかじ取り難航も[2018/02/07 11:51]

 憲法改正案の取りまとめを急ぐ自民党。7日は「大一番」の9条の議論です。今の条文である1項「戦争の放棄」、2項「戦力を保持しない」に自衛隊の存在を追加する「安倍案」と、2項を削って自衛隊を書き込む「石破案」とのがっぷり四つかと思いきや、ここにきて2項を維持して「自衛権」を加える案まで登場して、三つどもえの構図になっています。

 (政治部・前田洋平記者報告)
 執行部は安倍案で党内をまとめ、早く文言の調整に移りたい考えです。というのも、少なくとも9条の1項と2項を残して自衛隊を単に明記するだけの安倍案でなければ、公明党や野党が議論に乗ってくることはないとみているからです。ただ、それでも先行きは不透明です。公明党内には安倍案を容認する意見もあるものの、山口代表は「国民の理解が伴っているとは思えない」として、現時点では憲法改正自体に後ろ向きです。野党の出方も見えません。希望の党の玉木代表は先日の予算委員会で9条を巡り、自衛権の範囲など実質的な議論に踏み込みましたが、依然、野党の大半は慎重です。自民党としては他党や国民投票など、今後の展開をにらみながら党内の意見をまとめる難しいかじ取りが続きます。

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