野党「昭恵夫人らの証人喚問を」与党「予算成立を」[2018/03/16 16:57]

 国会は週明けに大きなヤマ場を迎えることになります。19日の集中審議、さらには前国税庁長官の佐川氏への証人喚問、野党側はどういう戦略で臨むのでしょうか。

 (政治部・白川昌見記者報告)
 16日はごみが本当に埋まっていたのかという新たな疑惑が浮上しました。15日は加計学園を巡っても文書の改ざんがあったのではという疑惑が指摘されました。野党としては次から次へと追及材料が出てくる状態で、これはすべて「安倍政権の腐敗した隠蔽体質の表れだ」として、一気に攻勢を掛けていく戦略です。集中審議を通じて佐川氏の証人喚問の必要性を浮き彫りにするのはもちろんのこと、佐川氏の前に担当をしてきた迫田元理財局長の証人喚問も求めて、過去にさかのぼって売却の経緯を確認していく考えです。野党幹部は「昭恵夫人も含めて話しを聞きたい人はどんどん証人喚問を要求する。応じなければ批判の矛先は安倍政権に向く」と話しています。野党としては「財務省の一部の暴走」という理屈で麻生財務大臣や安倍総理大臣が責任逃れをすることだけは阻止しなければならないとしていて、証人喚問などの波状攻撃で一気に攻勢を強めていく考えです。
 (Q.野党の攻勢に対して与党はどう対応していく?)
 (政治部・小池直子記者報告)
 証人喚問については、直ちにとは考えていません。与党としては、最も重要なのは予算の年度内成立です。所得税法など今月中に成立させなくてはならない法案を優先する考えで、証人喚問を早く求める野党側を牽制(けんせい)しています。与党としては、受ける場合でも予算成立後の4月以降となる見通しを示しています。ただ自民党からも、「財務省と一緒になって隠している」とみられたくないとの声もあり、16日に原因究明と再発防止策を検討するための初会合を開き、局面打開に向けて動いています。 
 (Q.自民党と公明党の温度差は?)
 公明党は当初、自民党がこの問題を甘く見ているといら立ちを感じていました。証人喚問については、公明党側から「必要あらば応じることを考えなくてはいけない」と自民党の背中を押していました。自民党も公明党も財務省に対して厳しい態度で臨む方針ですが、麻生大臣の辞任や安倍総理の責任問題については踏み込まず、そこの防衛ラインは揺らいでいません。

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