再稼働注力より現状打開を 汚染水対策遅れに批判[2013/07/29 18:41]

 福島第一原発で放射性物質を含む地下水が海に流出していた問題について協議する原子力規制委員会の会合が開かれ、対策の遅れへの批判が相次ぎました。

 名古屋大学・山本章夫教授:「リスクの把握に何かシステマティックな抜けがまだある可能性がどうしても否定できない」
 会津大学・角山茂章学長:「(原子力規制庁などは)福島より再稼働への注力が多いように思う」
 29日の会合では、汚染された地下水が配管類を通す溝の下に敷き詰めた砂利を伝って海に漏れたという見方を強め、流出防止を急ぐために専門家も交えた作業グループを立ち上げることになりました。また、海に漏れた汚染水の総量の計算や、現在もたまっている高濃度の汚染水への対策にも乗り出します。これに対して、有識者メンバーからは、海への流出は十分、予測可能だったのに予測していなかったことへの反省や、原子力規制庁や協力機関の職員を原発再稼働の前提となる安全審査に割くよりも福島の現状打開に投入すべきだという批判が上がりました。原子力規制委員会の更田豊志委員は、「指摘はもっともである」と対策が遅れたことを認めました。

こちらも読まれています