iPS細胞で染色体異常が自己修復 山中教授ら発見[2014/01/13 22:34]

 染色体に異常を持つ患者の皮膚細胞からiPS細胞を作ると、異常がひとりでに修復されて正常な細胞になる。この現象を京都大学の山中伸弥教授が参加するアメリカのグラッドストーン研究所のグループが発見した。新たな現象は、「リング染色体」と呼ばれる異常で見つかった。通常は棒状で2本1組となる染色体のうち、1本がリング状になる異常で、発育の遅れやがんなどと関係があるとされる。研究グループによると、リング染色体を持つ患者の細胞からiPS細胞を作り、培養したところ、細胞分裂の過程で、リング染色体は死滅する一方、まれに正常な細胞が作られ 、最終的に大半が正常な染色体に置き換わったという。今のところ、細胞が自己修復する仕組みは不明だが、将来的にダウン症など患者数が多い染色体異常もiPS細胞で修復できる可能性がある。

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