「即位直後から軍部暴走に苦悩」実録に見る昭和天皇[2014/09/12 11:53]

 昭和天皇が即位した直後から軍部の暴走に頭を痛めていた様子が昭和天皇実録から明らかになりました。

 1930年6月10日、政府がロンドン軍縮条約の受け入れに傾いていたなか、海軍の幹部が突然、昭和天皇に直接、辞表を手渡すという異例の抗議に及びました。その辞表の取り扱いを巡って、天皇は政府や側近と夜まで協議を続け、その日の記述には「本日は殊に御心労在らせられたる御模様」と記されるなど、軍部への対応に苦悩を深める姿が明らかになっています。また、1937年1月25日の記述では、宇垣一成元陸軍大臣に組閣を命じる際、「侵略的行動との誤解を生じないようにして、東洋平和に努力するように致すべき旨の御言葉」を述べていたことが分かりました。
 日本大学・古川隆久教授:「ますます日本と中国の対立が深まる情勢にあったなかで、これ以上、その対立を深めて戦争にならないように外交方針の転換をせよと。総理大臣になるべき人物に対して、そういう指摘をしたというのは、外交方針の転換を指示したということになります」

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