火山泥流 45分で温泉街に… 蔵王山噴火時の新想定[2014/12/26 11:48]

 映像は、29年前、コロンビアで起きた「融雪型火山泥流」と呼ばれる現象です。噴火で解けた雪が土砂を巻き込んで泥になり、街を一気に飲み込みました。過去には国内でも北海道の十勝岳などで起きていて、国土交通省は、火山活動が活発化している蔵王山で同じ現象が発生した場合、「火口から10km離れた温泉街に45分で到達する」などとする新たな被害想定や対策を年度内にも取りまとめる方針を固めました。

 東北地方整備局は、宮城県と山形県にまたがる蔵王山について、過去1万年で最も大きな規模のマグマ噴火などが起きた場合を想定し、被害の規模などの見直しを進めています。このうち、大規模なマグマ噴火が起きた場合、噴石が火口から半径3.5kmの範囲まで飛ぶ恐れがあると予測しています。また、融雪型火山泥流については、火口から12km離れた宮城県蔵王町の遠刈田温泉付近に噴火から約45分、山形県側の集落には約1時間で到達すると予測しています。国交省などは、今年度中にも新たな被害想定案を取りまとめ、堤防のかさ上げや仮設堤防の設置など、これまでの砂防計画についても見直す方針です。

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