“うつ症状改善”…「楽しい記憶」細胞に光あて刺激[2015/06/18 11:50]

 国内で約100万人いるとされるうつ病患者。この症状を改善する新たな方法を理化学研究所の研究チームが発表しました。気持ちが落ち込んだり、楽しくない状態が続くうつ症状。研究では、ストレスを与えてうつ状態にしたマウスを用意し、「楽しい記憶」をためておく細胞に光を当てて刺激しました。その結果、「楽しい記憶」が呼び起こされ、うつ症状に改善がみられたということです。

 理研脳科学総合研究センター・利根川進センター長(75):「記憶を操作することによって、うつ病の症状を示すマウスを治した」
 今回の研究は、ノーベル賞受賞者の利根川センター長ら理研のチームがまとめました。脳の記憶をつかさどる細胞に光を当てると、「楽しい記憶」が呼び起こされるよう遺伝子操作などをしたマウスを用意し、まず、ストレスをかけます。マウスは持ち上げられてもすぐに抵抗を諦めるなど、うつの症状をみせます。ここで脳細胞に光を当てて刺激すると、元気に動き回り、うつの症状の改善が確認されました。「楽しい記憶」が呼び起されることで、症状が改善したということです。利根川センター長は「すぐに人に応用できるものではないが、新たなうつ治療の可能性を示せた」と話しています。

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