天文衛星「ひとみ」 誤って機体を回転させ分解か[2016/04/16 00:10]

 通信が途絶えている日本の天文衛星「ひとみ」が向きを変えた時に誤って機体を回転させてしまい、分解につながったとみられることが分かりました。

 2月に打ち上げられたひとみは先月26日を最後に通信が途絶えていて、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で原因の分析を進めてきました。ひとみでは星の見え方を測定して機体の向きを確認しますが、先月26日に試験観測で向きを変えた際、何らかの理由でこの測定ができなくなり、ひとみは機体が回転状態にあるという誤った判断に陥りました。このため、実際には回転してないのに逆回転の動作に入り、最後は自動噴射して、その勢いで実際に機体が高速に回転してしまったとみられます。そして、この高速回転による遠心力が機体の分解につながったということです。JAXAでは、ばらばらになった機体の一部の可能性がある2つの破片が今月29日と来月10日に大気圏に再突入して燃え尽きるとみています。一方、ひとみ本体は現在も高速で回転しているため、太陽電池の発電などによる復旧のめどは依然、立っていません。

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