地震で水力発電所損傷 流水と土砂崩れに因果関係は[2016/05/07 17:39]

 熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所が地震で損傷し、大量の水が流れ出ていたことが分かりました。近くの集落では土砂が崩れて2人が亡くなっていて、九州電力は近く、水の流出との因果関係を調べる方針です。

 地震で損傷したのは、南阿蘇村にある九電の「黒川第一発電所」です。先月16日に起きた地震の後、容量が1万立方メートルの貯水槽から大量の水が流れ出しました。近くの新所地区では7世帯が土砂崩れに巻き込まれ、2人が亡くなりました。
 南阿蘇村新所地区区長:「地震と決壊した水によって、私の考えだが、2人の尊い命が奪われた。九州電力としての考え方をもっと明確にしてほしい」
 九電は今月中旬に専門家を交えて発電所の被害を調査し、集落を襲った土砂崩れとの因果関係についても調べることにしています。また、南阿蘇村の阿蘇立野病院では建物の一部が倒壊し、土砂災害の危険も残っていることから閉鎖を決めました。入院していた患者約30人は、すでに県内の他の病院に移っています。
 病院職員・郷良民さん:「危険性があるので(診療は)ここではできない。いったん全職員、解雇という形になった」
 この地域で唯一、救急と入院を受け入れる病院が閉鎖されることになり、住民の間には不安が広がっています。

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