天皇陛下、「お気持ち」をビデオメッセージで表明[2016/08/09 00:05]

 天皇陛下は8日、象徴天皇のあり方や公務について、今の「お気持ち」をビデオメッセージで国民に向けて表明されました。

 ビデオメッセージの収録は7日、陛下のお住まいである御所で行われ、皇后さまも立ち会われました。陛下はこのなかで、立場上、現行の皇室制度に触れるのは控えるとし、高齢となった天皇のあり方について陛下が個人として考えてきたことを述べられました。具体的に「生前退位」については触れませんでしたが、公務を減らしたり摂政を置いたりしても天皇が十分な務めを果たせていないことに変わりがないこと、代替わりに伴う一連の行事について行事に関わる人やご家族の負担を心配されていることなどを話され、退位の意向を強くにじませたものでした。宮内庁の風岡典之長官は「お気持ち」の表明を受け、「陛下のご心労の大きさを痛感した。お気持ちが広く国民に理解されることを願っている」と述べました。
 天皇陛下の学友・明石元紹氏:「国民の了解を得て、できれば譲位したいお気持ちをただ表に出したという話。身内の痛いかゆいではなく、日本の将来のためにこういう制度を作ってもらうことがベターだと」
 学習院大学・坂本孝治郎教授:「高齢化社会と一緒に天皇自身がある種の危機状態に陥った場合に重い務めを円滑に運ぶためには、何らかの対処をして頂きたい。極めて間接的ですけど、明確なメッセージが説明されている」
 一方、政府が秋にも設置を検討している有識者会議について、政府関係者は8日、憲法学者や歴史学者、それに文化人ら10人程度で構成されるという見方を示しました。

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