東京都の待機児童…現状は? 厚労省担当記者が解説[2016/09/09 16:03]

 小池都知事は9日午後2時すぎ、待機児童問題に関する新たな対策を明らかにしました。また9日夜、政府に保育所の規制改革に関する要望を行う予定です。小池都知事が待機児童問題でいよいよ動き始めたということになります。厚生労働省担当の西橋拓輝記者の解説です。

 (Q.東京都の待機児童の現状はどうなっている?)
 全国の市区町村別で待機児童が多い順に並べたランキングを見ると、10位までに世田谷、江戸川、板橋、渋谷と東京都だけで4区も入っています。さらに20位まで見ると、12の地区が入り、半分を超えています。東京都の待機児童の数は全体の3分の1にあたり、突出して多いです。背景には大型マンションの建設などで共働きの子育て世代が増え続けていることや、保育施設をつくるための土地や保育士の確保が難しいといったことがあります。
 (Q.国は来年度末までに待機児童をゼロにしようという目標を立てているが、実現しそうか?)
 4月の時点で待機児童として国が集計した人数は、全国で2万3500人ほどです。このなかには保育所に入れたくても入れることができなくて育休を余儀なくされる場合や、各自治体の補助を受けている認可外施設に入っているということで計上されていない、いわゆる「隠れ待機児童」は含まれていません。4月の時点で隠れ待機児童は全国で約6万7000人いるということです。このほか、待機児童にも隠れ待機児童にも含まれていないような、保育施設が充実しているのであれば子どもを預けて働きたいと思っている人も大勢います。厚労省は今後、保育の実態を把握していきたいと考えているということです。

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