「凍土壁」溶け出すなど足踏み…原発事故から5年半[2016/09/12 11:50]

 福島第一原発の事故から5年半が経ちました。汚染水対策の「切り札」とされるのが凍土遮水壁です。原発の周りを氷で囲み、汚染水が外に漏れ出るのを防ぐ装置ですが、海側から凍結を始めてから約半年、いまだに凍っていない箇所があります。さらに、先日の台風による大雨で地下水が大量に入り込んで温度が上がったことから、一度、凍ったはずの2カ所が溶け出すなど足踏みが続いています。

 廃炉作業が進む福島第一原発では12日から1号機の側面を覆う壁パネルを大型クレーンを使って取り外す予定でしたが、強風による悪天候のため、13日に順延されました。1号機では使用済み燃料の取り出しに向け、放射性物質の飛散を防ぐための建屋を覆うカバーの解体が去年7月から行われています。福島第一原発では汚染水対策の柱とされる凍土遮水壁の凍結が台風の大雨の影響で進まないなど、いまだに効果が出ていない実態が浮き彫りになっています。福島第一原発の1号機から3号機までの原子炉には事故で溶け落ちた核燃料が残っていて、国と東京電力は早ければ2021年中にも取り出す方針です。

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