「風評に負けない」出荷待つ“ブランド牛” 福島[2017/03/11 15:21]

 東日本大震災から6年。福島で原発による避難指示が徐々に解除されています。まもなく解除される町では、ブランド牛の復活へ準備が進んでいます。福島県飯舘村から報告です。

 (池田速人アナウンサー報告)
 飯舘村は原発事故の前、飯舘牛といわれるブランド牛の飼育が盛んでした。原発事故から6年、放射性物質を取り除く除染が終わったとして、この春、飯舘村はようやくほとんどの地域で避難指示が解除されます。牛たちは去年、一足早く村に戻って安全に牛を育てられるかどうかを調べました。その結果、牛の血や尿から放射性物質は検出されていません。しかし、牛舎の周りは黒いシートで覆われています。これは柵から顔を出した牛たちが誤って周りの草を食べないようにするための工夫です。さらに、牛たちがいるパドックは、牛が村の土に直接、触れないようにするためにすべてコンクリートで覆われています。この牛舎の周りは去年、除染が行われました。今、村の至るところに除染廃棄物の仮置き場があります。この仮置き場は除染が進んだ証しでもありますが、村民のなかには除染に不安があるなどとして避難指示が解除されても戻らないという人もいます。こうした特殊な環境で育てられている牛たちは、去年から今年にかけて新しい命も生まれました。牛舎には5頭の牛がいて、このうちの1頭は来月、福島県内の市場に出荷されます。飯舘牛、復活への足掛かりとなりそうです。

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