棋士・加藤一二三九段 約63年の現役生活に終止符[2017/06/20 23:26]

 将棋の史上最年長棋士・加藤一二三九段(77)の約63年の現役生活に終止符が打たれました。最後の対局は、投了直後に加藤九段が退出するという異例の事態となりました。

 加藤九段は20日午前10時から、竜王戦の昇級者決定戦で高野智史四段との対局に挑みました。加藤九段にとって勝てば最年長勝利記録の更新、負ければ日本将棋連盟の規定により引退となる対局でしたが、98手で加藤九段が投了し、高野四段の勝利となりました。加藤九段は投了直前に「きょうの感想戦はなし。コメントはしない」と述べて終局後、通常行われる感想戦を行わず、無言で足早に将棋会館を後にする異例の事態となりました。加藤九段はこれで、1954年に史上初の中学生プロ棋士としてデビューして以来、約63年にわたる現役生活に終止符を打ちました。そして20日夜、加藤九段は自身のツイッターで「生涯を懸け全身全霊を傾け打ち込むことができましたのは、将棋ファンすべての皆様おひとりおひとりのおかげに他なりません。幸せな棋士人生をありがとうございました」と、感謝のコメントを出しました。

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