福島第一原発 「凍土壁」完全凍結許可へ 規制委[2017/06/29 07:02]

 福島第一原発の汚染水対策で安倍政権が切り札とする「凍土遮水壁」について、原子力規制委員会は東京電力が申請した最後の1カ所の凍結を許可する方針を固めました。

 福島第一原発では地下水が建屋内に流入して汚染水が増えるのを防ぐため、周囲の地盤を凍らせて氷の壁を作る「凍土遮水壁」を作る計画が進められてきました。原子力規制委員会は、氷の壁を完全に凍結させると内側の地下水の水位が下がり、建屋内にたまった高い濃度の汚染水が外に漏れ出る可能性が否定できないとして慎重に審査を続けていました。しかし、完全に凍結しても建屋の外側に複数ある井戸でくみ上げる地下水の量を調整すれば高濃度の汚染水が漏れ出ることはないと結論付け、東電が申請した最後の1カ所の凍結を許可する方針を固めました。28日に開かれた検討会合で明らかにしました。東電は凍土遮水壁が完成した場合、現在も一日あたり約130立方メートル発生している汚染水がどの程度、減るかについては「凍結後に評価する」として明言を避けました。

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