「天災で、やむを得ない…」住民が自宅で片付け[2017/07/16 17:36]

 九州北部の豪雨で、これまでに福岡と大分で合わせて32人が亡くなり、今も10人の安否が分かっていません。15日、避難指示がすべて解除された大分県日田市では自宅に戻った住民が片付けに追われています。

 (山下拓見アナウンサー報告)
 日田市北部の小野地区では、土砂崩れによって住民も自宅に帰れない日々が続いていました。15日、仮設道路が開通したことから避難指示がすべて解除され、16日朝から多くの住民が片付け作業に追われました。
 三牧正晴さん:「これだけの山が崩れるとは私たちも思っていなかったので、やむを得ないです。天災だから」
 住宅の1階部分が土砂で流されてしまった人は「屋根裏にあった昔の写真が出てきて、これだけでも濡れずに持って帰れて良かった」と話していました。市内の動物病院では、避難生活でペットと暮らせなかった女性が預けていったペットの犬を引き取りに来ました。
 引き取りに来た女性:「自分たちもやっと、きょうから家に帰れるので、一緒にまた生活できるのでうれしいです」
 また、去年12月にユネスコ無形文化遺産に登録され、約300年の伝統を誇る「日田祇園祭」が6日後に迫り、急ピッチで準備が進められていました。例年であれば、花などの装飾を施した山鉾(やまぼこ)に人形を乗せるのですが、今年は装飾が間に合わないため、人形を乗せた後に飾り付けをせざる得ないということです。日田祇園祭の唯一の人形師も「今年は特別な思いを込めて作った」といいます。災害からの復興に向けて少しずつ進んでいく一方で、日田市では現在も45世帯92人が避難生活を余儀なくされています。

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