足尾銅山鉱毒事件の水墨画を特別公開 群馬・太田市[2017/11/25 19:08]

 日本の公害問題の原点とも言われる「足尾銅山・鉱毒事件」をテーマにした水墨画が、群馬県太田市で特別公開されています。

 公開されているのは、鉱毒事件によって渡良瀬川流域の住民が移住を強いられる様子や、被害者の救済にあたった政治家・田中正造の様子が描かれた「足尾鉱毒の図」です。全6作のこの絵画は、広島に原子爆弾が投下された際の惨状を描いた「原爆の図」の作者・丸木位里と、その妻・俊による作品です。全6作が一挙に公開されるのは田中正造の没後100年にあたる2013年以来、4年ぶりです。会場にはこのほか、公害の根絶を求める被害者団体による環境調査の様子や、今も安全対策が必要な鉱山関連施設の写真も展示されています。
 太田市環境政策課・高橋公道課長:「平成27年の5月に太田市足尾鉱毒展示資料室というのをオープンしたんですね。展示室の会場の都合で全6部のうち2部ずつしか展示できないんですね。太田市の市民会館がオープンしたことも一つのきっかけなんですけど、そこで全6部作を展示しようということになりました」
 渡良瀬川鉱毒根絶太田期成同盟会・板橋明会長:「被害者団体として年に1回、何かあると2回くらい伺って、足尾の山元がどうなっているか、きちんとその辺を見て環境を守る、そういうことを心掛けております」
 特別展示は施設の休館日となる月曜日を除く今月30日まで、太田市の太田市民会館で行われています。

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