築地市場は最後の年の瀬 豊洲移転に不安の声も[2017/12/30 11:49]

 この年末の風景は今年が最後です。来年の10月に豊洲への移転が決まった築地市場は30日、年内最後の営業日です。市場関係者は複雑な思いでこの日を迎えています。

 (社会部・西前信英記者報告)
 この場所で年末を迎えられるのは今年が最後ということもあり、場内は今も買い物客でにぎわっています。外国人観光客の姿も多く見られ、「日本の台所」ともいわれる市場は活気であふれています。しかし、豊洲市場への移転が延期によって当初の計画から約2年遅れとなったため、うんざりとした顔で不安を口にする業者もいました。
 築地市場の業者:「移転して普通に営業できるのか、働く環境になっているかって。食品を扱うんで、自分たちより買いにくるお客さんが不安じゃないか」「やっぱり寂しい気持ちはありますよね。築地入って30年くらいになりますけど、色んな思い出とか、それがなくなるっていうのは残念な話ですよね」
 業界側が最も懸念しているのは移転先となる豊洲市場のことです。ここまで問題が長引いたことで、移転後の営業にも影響が出るとの声が上がっています。小池知事は追加の安全対策工事が終わった段階で「安心・安全を発信する」などとして、そうした風評被害の払拭に努めるとしています。一方、築地市場の跡地は2020年の東京オリンピック・パラリンピックの輸送拠点として使われた後に再開発されるということですが、具体的な計画は不透明なままです。最後の営業日は来年10月6日の予定ですが、80年以上もの間、繰り返された年の瀬の風景はこれで見納めとなります。

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