14年ぶり新スキー場誕生 過疎の町が「奇跡の秘策」(2018/01/08 17:36)

 国内では14年ぶりとなる新しいスキー場がオープンした。人口わずか1万人程度の過疎の町が活気を取り戻そうと大勝負だ。

 魅力が何もないという町がこの冬、大きな賭けに出た。過疎の町が10億円以上かけて何を思ったか、国内14年ぶりにスキー場をオープンさせたのだ。スタッフはほとんどが未経験者。そのため、まさかのハプニングが。そもそもの話だが、日本人のスキー離れが進むなかで果たして客が来るのだろうか。帰省で町に人が集まりやすい年末年始を取材した。兵庫県のほぼ中央に位置する神河町。人口1万人余りと県内で最も人口の少ない町だ。3人に1人が高齢者で、過疎化が進んでいる。その町で持ち上がったのがスキー場の建設だ。国の援助を受け、観光客の誘致と住民の雇用の創出を目指すというのだ。
 スキー場を運営、マックアース・正垣努取締役:「まあ、プレッシャーは相当、正直ありますよ。本当にオープンするまで全然、寝られなかったですし、失敗は絶対にできないな」
 去年12月に完成した町のスキー場「峰山高原リゾート」。1000メートル前後のコースが3つ。レストランが併設され、500台近くを収容する駐車場も完備した。1月1日、駐車場にたくさんの車が止まっていた。さらに、スキー用品のレンタルカウンターには長い列ができている。
 スキー場利用客:「(Q.どちらから来ましたか?)大阪からです」「珍しいオープンなので、すごく奇麗で楽しみにしています」
 来場者は、週末には1000人を超える人気ぶりだ。しかし、スキー場は喜びの一方で心配事も…。
 スキー場を運営、マックアース・正垣努取締役:「1割しか(スキー場勤務の)経験者はいないです。9割は初めてスキー場で働かれる方々です」
 町に若者が少ないこともあり、スタッフがなかなか集まらない。しかも、少ないスタッフのほとんどがスキー場で働いた経験がないのだ。すると…。
 スタッフ:「僕らの予想と外れて、(ボーダーより)スキーヤーの方が多くて、この前、一番酷かったのは25センチから上のブーツが全部なくなったんです」
 年末、スキーには欠かせないブーツが足りなくなり、客に帰ってもらう事態に。さらに、2日のこの日は大勢の客が押し寄せた。果たして、ブーツは足りるのか。
 スタッフ:「(Q.きょうは大変そうですね)やばいっす」「(Q.靴、足りそうですか)きついですね」
 年末の失敗を糧にこの日は新しいブーツを追加発注し、何とか事なきを得た。午後6時。日が暮れてもスタッフの仕事は終わらない。人手不足のため、取締役がコースの整備をする。
 スキー場を運営、マックアース・正垣努取締役:「大変は大変ですね。他(のスキー場)とは比べものにならないくらい」
 当初は反対意見もあった町のスキー場建設。しかし、予想以上の集客に住民らは…。
 住民:「(Q.新しいスキー場についてどう思う?)そりゃもう賛成やろ。喜んどるよ」
 ゲレンデに一番近いガソリンスタンドも手ごたえを感じていた。
 店員:「今までだったら、ずっと椅子に座ってたのが、やはり車が通るだけでも何かわくわくしますもんね」
 町が運営してきた赤字続きの宿泊施設にも驚きの効果が。近年、ほとんどなかった満室状態となったのだ。館内を走り回るのが清掃係の多田千春さん(65)。働き甲斐ができたと喜びを隠せないでいた。
 スキー場に併設のホテルで働く多田千春さん:「神河町、小さな町にスキー場ができるということが、まず想像ができなかったことと、こんなにたくさんの人が集まるということも予想もつかなかったですね」
 人口1万人余り、3人に1人が高齢者の過疎の町。住民たちの挑戦はまだ始まったばかりだ。

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