“チバニアン”登録に暗雲 教授「絶対許可しない」[2019/05/27 23:31]

 千葉県市原市の地層を新たな地質時代「チバニアン」として国際的に命名する動きが進むなか、暗雲が垂れ込めています。

 研究チームはこれまで、新たに見つかった地層を新たな地質時代「チバニアン」と命名するため、国際機関への申請手続きを進めてきました。しかし、元研究チームのメンバーで申請に反対している茨城大学の楡井久名誉教授が地層が露出した土地を借り上げたことが分かりました。
 土地の所有者:「(Q.契約で10年間貸した?)そうですね。私は楡井先生にお願いしているので」
 市原市は去年5月、地層がある土地の公有化に向けて所有者から土地の譲渡について承諾書にサインをもらっていました。市によりますと、所有者とはその後に直接、連絡が取れなくなり、楡井教授も協議に応じないということです。チバニアン命名には地層のサンプルを何度も提出することなどが求められますが、楡井教授は申請時に提出されたサンプルの一部が別の場所から採取したもので、捏造(ねつぞう)だと主張しています。現在、サンプルの採取には土地を借り受けている楡井教授の許可が必要ですが、楡井教授はANNの取材に「絶対に許可しない」と話しています。
 茨城大名誉教授・楡井久氏:「(申請の)邪魔をしているんじゃなくて、これを正すことで良いことになるんですよ」
 一方、研究グループリーダーの岡田誠教授は、楡井教授の主張は事実ではないことが国際的にも証明されていると反論しています。
 茨城大教授・岡田誠氏:「少し唖然(あぜん)としている感じです。ただ、この状態でだめになったら学術的な審議をする団体としてどうなのかと将来、禍根を残す事例になってしまうので」
 研究グループでは引き続き申請に向けた働き掛けを続けるということです。

こちらも読まれています